ほしとたいようの診察室
第6章 回想、はじめまして
その間に、学校や警察、児童相談所と、さまざまなところへと連携がなされていく。
「白河さんの担任の井田と申します。学校の方は僕から連絡を入れて、今後の話し合いなど協力していきます」
そう言って丁寧に頭を下げたのは、優先生と救急車を降りてきた男性だった。
……なんと、桜堂附属の先生で、しかも彼女の担任だったらしい。
井田先生もまた、突然生徒が命の危険にさらされたことに動揺があったに違いない。
「主治医は俺が持つ」
きっぱりと言ったのは、優先生だった。
優先生と井田先生は同い年くらいに見えた。
それもそのはず、2人は旧知の仲だというから、驚きである。
そんな偶然が重なりに重なって……
……彼女の命は助かったわけか。
「わかりました、何かサポートできることがあれば、言ってください」
俺はひとまずそう告げて、当直業務へと戻った。
きっと優先生が、明日からまたとんでもなく忙しくなることが予想された。
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