ほしとたいようの診察室
第6章 回想、はじめまして
俺も、当直業務に移ろう。
そう思ってひとつ伸びをすると、カルテの整理をし始めた。
最近入院してきた子の受け持ちを持ったけど、初めての症例で治療も悩みながらの実施だった。
パソコンで論文をかき集めながら、夕食のパンを片手でかじる。
優先生から借りた、小児の主な病気をまとめた参考書もまだ読み込んでいる途中だ。
右手に付箋、左手にパンを持ちながら、静かな医局で1人、作業に没頭しはじめる。
時刻は19時20分。
PHSに緊急の電話が入った。
けたたましいくらいの音に、ドキッとしながら、ワンコールで電話に出る。
「はい、小児科医局です」
「小児の当直の先生へ。至急。10分後救急車入ります。13才女児、腹部損傷。心停止。応援願います」
夜間救急の外来へと走る。
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