
ほしとたいようの診察室
第6章 回想、はじめまして
「ゆーせんせ! ねーみて」
のんちゃんの病室に入れば、薄く切った給食のきゅうりを、ほっぺにくっつけたのんちゃんが現れる始末。
無邪気は無邪気なんだが……
はぁーあ。まったくほんとに、もーー。
ため息をつきつつ、
「こら。食べ物で遊ぶな」
注意をすれば……
「だって、きゅうりきらい」
ほっぺからきゅうりを取ると、指先で弄ぶ。
あー、もう、だれが食べんだ、それは。
「あのなぁ。きゅうりさんだってのんちゃんの体を丈夫にするためにお皿にのってるんだぞ。わかる?」
「わかーんない」
わかんない、と言うより、聞きたくない。ひいては遊びたいという心の表れだった。
そうしてるうちに、今度はスープに両手をつっこんでびちゃびちゃにするもんだから、怒らずにはいられない。
