
ほしとたいようの診察室
第6章 回想、はじめまして
必要な処置を淡々とこなしていくことで、状態はなんとか安定したが。
容体に余裕があるとは言えない。全身管理が必要だった。
一瞬にして、身体中、管だらけになった我が子を母親は悲痛な面持ちで見つめていた。
これから検査をして原因を特定するとともに、治療が必要であれば入院しなくてはならないことを手短に母親へ伝える。
母親は力なく頷き、ぽつぽつと話した。
『ようやく、上手にお話しするようになって』
『幼稚園に通えて』
『外で走り回るのが大好きな子なんです』
『……なんとか、また、のぞみが元気になるように……お願いします』
……
