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ほしとたいようの診察室

第5章 プリンを作ろう

……


「陽太先生、それだけですか……!」


陽太先生の夕食は、コンビニの惣菜パン2つだった。

「いやー、急患入ったらと思うと、夜はいつもこんなだよね。カップ麺なんてさ、作ってる最中に急患が入るなんて、もはやジンクスみたいなもんだし」

陽太先生は、いつも変わらない。
いつも元気だし、いつも笑顔だ。忙しくても疲れていても、子ども相手に仕事をすると、そうなってしまうのか……意識的にそうしているのか。

「忙しいのに……わたしとご飯食べてて大丈夫ですか?」

恐る恐る聞くと、

「大丈夫! 今日のこの時間はのんちゃんのために空けておいたんだよ。……今日は、元気ないかと思って」



気遣ってもらってばかりだ……。



「すみません……」

「いいんだよ。俺もいつも1人で医局でパンは、寂しいからね。のんちゃん、あったかいうちに食べな」


言われて、ふたりで、いただきますをする。

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