
ほしとたいようの診察室
第5章 プリンを作ろう
最初より腟内が綺麗になったから、合格点だと思う。
のんちゃんはすでに、眠気に包まれているようだった。
「だいぶ出たね……」
「わたしこれだけ出た患者さん、初めて見ました。まさかのんちゃんで見ることになるとは……」
言いながら叶恵さんは苦笑いする。
さすが、叶恵さん。
のんちゃんの前では驚いた表情を微塵もみせなかった。
のんちゃんに不安を与えないためだろう。
「なんて言ったって2ヶ月も薬溜めてたからさぁ……。点滴、落としていくね。叶恵さん、あと頼んでもいいかな? 尿路感染だけは避けたいから、陰洗してもらえると」
「もちろんです。拘束は解いていいですか?」
「うん、問題ないよ。ちょこちょこ巡視してもらって、起きたらケアに入るから、呼んでくれる?」
「わかりました」
「ありがとね」
ホルモン剤を点滴で落としていく。
弱くて、少ないものから。
1週間単位で強くしていけたら順調だけど、はたしてそんなに上手くいくのか……。
