
エッチな女子高生は年上がお好き
第2章 出会い
「ねー、お姉さん。君、飲みたいって顔してるけど、どう?」
調子のいい男が軽快なステップを踏みながら近づいて来る。どうじゃねーよ!と言ってやりたいところだが、グッと堪えてヘラヘラしておく。
「いや、未成年なんですよ」
ははは〜、と乾いた笑いも入れておく。
「はい、ウソ〜!てか、別に酒とは言ってないじゃん?ジュース飲もう、俺と」
「あーごめんなさい、マジで急いでるし。また今度」
それでも髪の毛先が死んでいるちょっと顔のかっこいいナンパ師は、ついてこようとする。
なんでこんな大切な日に限ってナンパされるんだろう。実際この人たちはどれくらいの確率で成功しているんだろうか。不思議に思うことがたくさんある。
そそくさとその場をやり過ごして、駅を抜けて信号を渡った先にある大きなビルに入る。
今日は好きなバンドのCD発売イベントの日。
人付き合いが苦手な私は、一緒に行く人がいないから今日もひとり。数十人しか集まらない会場で、なぜか半分くらいはみんな知り合いなようで、いつもすこし寂しい思いをする。
でも、その輪の中に入っていきたいわけではなく、1人でゆっくり音楽を楽しめたら、それでいい。
