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田中理沙は、ゆっくり休みたい所だが、いざ黒田明がやって来てからでは、自分自身の身を守れない、くまなく高滝公民館の室内を点検することにした。目の前の襖を開けて前進して行く。さらに奥にある襖の中央を開けると、その先には中廊下が通っていた。高滝公民館の台所だった。台所の広さは洋間8畳程で、裏口も視界に入って来た。
田中理沙も気になっていたのは、あの黒田明が侵入してくるとしたら、正面玄関か、この裏口からだろう。鍵がかけられるのか？壊れているのか？早く状況をつかみたかったのだ。確認したら、裏口の鍵は閉められていた。普段から管理はされているし、当然と言えば当然の事だった。高滝公民館の後ろはどうなっているのか？裏口に置いてあるサンダルを履いて、高滝公民館の外に出てみた。黒いハンドバックとライトで、照された光景は、太い檜木が、数本建っていた。檜木の幹は太くて、敷地は広くはなかった。さらにその先は紅葉樹林になっていた。