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田中理沙は助かるチャンスを逃がしたが、すぐに気を取り直していた。道路幅、3メートルの砂利道の上に、住宅地図を広げて、辺りの周辺状況を調べた。ライトの中の乾電池はまだ新しいし、ここでケチケチしても正確な情報を得ることが、大切だと肝に命じた。絶対に負けられないと、願いを込めた。田中理沙は二重人格者なのかと？とつい思ってしまう程、集中力が強かった。高滝公民館が、近いし行って見ることにした。スマートホンが使えない状態では、助けも呼べないし正確な現在地も分からない。あてもなく道路を歩くよりも夜が明けるまで、高滝公民館の中で、隠れている方が懸命だと考えた。田中理沙は住宅地図を折りたたみながら、高滝公民館を目指して歩き出した。
ここだわ、ここが、高滝公民館ね、高滝公民館は林家商店の。2件隣だったので、すぐにたどり着いた。広めの土地に、建てられた50坪程度の平屋の建物だった。屋根の一部分が古くて風で飛ばされたのか、めくれて無くなっていた。