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そして愛へ 「改訂版」

第1章 そして愛へ 「改訂版」

 湯布院の旅館は、一つずつが独立している離れ家でした。露天ではありませんが、温泉もついています。さっそく二人で入りました。このごろセックスをしてもらえる日には、お風呂にいっしょに入るようになりました。洗いっこもしています。笑っちゃうくらいおおきなスポンジで、進さんはわたしを、わたしは進さんを洗ってあげます。進さんの家の浴槽はあまり大きくないので、抱きあって入ります。
 それも嬉しいですが、旅館の温泉のように二人がゆっくりと入れる大きさもいいです。のんびりと、温泉につかっていました。こういうことが、旅の楽しみだと思います。温泉からあがったあと、ゆかたを着まして散歩しました。高原の5月の風が爽やかですよと、仲居さんがすすめてくれたのです。
 五月晴れもいいですが、高原の5月の夕暮れもいいものです。散歩から帰って、また温泉に入りました。爽やかですがやはり高原らしく日が落ちますとすこし寒いくらいでしたので、からだを温める程度ですぐあがりました。
 夕食のメインは、豊後牛のステーキでした。放牧牛のお肉で、美味しいステーキでした。ワインを、二人ともグラスに一杯だけ飲みました。セックスをしてもらえる日には、進さんはアルコールをあまり飲みません。夕食がすみましたら、
 「かおりさん。温泉に入ろうか」
 「うん」
 「ひろい湯船は、いいね」
 「ゆったりできるね」
 「よし。うちの風呂も広くしよう」
 「えっ」
 「リビング側を1mも広げれば、いまの倍の浴槽にな
  る」
 「それなら、二人でゆっくり入れるね」
 「そうだね」
 「わたしが、いっしょに暮らしているからなんですね。
  嬉しい」
 「帰ったら、早速取りかかろうね」

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