
おはな畑
第2章 キスマーク
「どうして痣のこと言わなかった?」
「へっ?」
急に目を合わせて、五条先生が言った。
あっ、そうだった……わたし、あざ…………
「あっ……これは、だ、大丈夫です」
見られたら面倒だなと、黙っておいたあざのこと。
しまった……と思い、
「なんか、気づいたらできてたんですけど、別に痛いとかはなくて」
「何もなくてこんな痣なるか?」
「た、たまにあるじゃないですか。どこにもぶつけてないのに、あざができること……」
「だからって、こんなところにいくつも出来るか普通」
「……た、確かに」
何でもないアピールをするも、畳み掛けるように詰められる。
そして、
「で、でも! 今日、藤堂先生にちゃんと見せましたけど、すぐ消えるから心配いらないって」
言うと、五条先生は一瞬にして顔を曇らせ、
「馬鹿か」
「え?」
「なに藤堂先生に見せてんだ」
「え? だっ、だって……身体に異変があれば、ちゃんと言いなさいっていつも先生たち、んぅっ……!」
突然、胸の辺りにキスをされた。
