
刑事とJK
第47章 謎のおじさん
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ガツガツガツガツ…
「先輩…」
ガツガツゴクゴク…
「何だ?」
ガツガツガツガツ…
「このおじさん誰ですか…?」
ゴックン
「知るか」
「はあああ…
うまかったああ…
刑事さん、ありがとうね」
おじさんは斉藤が用意したコンビニ弁当をあっさり平らげた
「オッサン、誰だ?」
「僕は、謎のおじさんだよ」
「…」
はい?
「ちょっと先輩、もう帰しましょうよこの人…」
シゲはこそこそと斉藤に耳打ちした
斉藤は頷いた
「オッサン、腹もふくれたろうから出てってくんねぇか?」
「やだなぁ、ここ快適だから」
謎のおじさんは椅子の上でグルグルと回った
「……」
めんどくせぇのを連れてきちまった…
シゲのうっとしそうな表情はありありと浮き彫りにされている
仕事部屋の外からは、藤野や吉川やその他もろもろ、南までもが中の様子を伺っていた
「いい加減にしろオッサン」
斉藤はおじさんの腕を引っ張った
その瞬間、おじさんは凄い形相で「あ゛あ゛っ!!!」っと窓の外を指差した
「あ?」
斉藤もそっちの方を振り向いた
「チョップ♪」
おじさんのチョップは斉藤の頭に可愛らしく直撃した
「……」
部屋の外で、藤野や吉川は大爆笑している
シゲも肩を震わせて必死に笑いをこらえている
「こんのジジイ!!!」
と振り向くと、すぐそばにいたはずのおじさんは既に3mほど離れた位置にいた
「えっ…!!」
あまりの出来事に斉藤は目を疑った
