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この夏、君に溺れた

第4章 朝も昼も夜も

「俺の側にいたい?」

「先生……」

真剣な目。

吸い込まれそう。

「正直な気持ち、聞かせて。」


胸がきゅうっと締め付けられる。

「うん……側にいたい。」

そして、そっと目を閉じた。

ねえ、先生。

ここでいつものように、私の唇を奪って。


ねえ、先生。

早く。

早く、待ってるんだから。

奪っ……

奪っ……


そっと目を開けると、そこには原稿を書く先生が。

「ちょっと先生!」

「ん?」

どうかしたかと言わんばかりに、無表情でこちらを振り向く先生。

「ひどい!私、待ってたのに!!」

「えっ?何を?」

ガクッと項垂れる私。


いや、芽依。

ここで負けちゃダメ。


「何って……キスに決まってるでしょ。」

少し小さい声で答えた。

聞こえたかな、先生。


「えっと、『キスしてほしかったな、先生……』っと。」


はっきり聞こえてるし!

しかも小説に書いてるし!!

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