
仔犬のすてっぷ
第13章 優希の傷痕
「うわあああああああぁっ!!!」
はっ!?と目が覚めた。
はぁはぁはぁ…と、息が粗い。
身体中、汗だくで、体が怠い。
・・・また……この夢を見た・・・のか…
僕がオナニーをやらなくなった、もうひとつの理由……それが、この夢だった。
自慰をして、気持ち良くなった後、どうしても後ろめたい気持ちになる。
そして、そのまま寝ると…ほぼ、100%でこの夢を見て、うなされ、目が覚める。
「・・・おい?大丈夫か?」
「………いや、大丈夫じゃ・・・あ゛★」
スゲェ近すぎるところに、蒼空の顔があった。
「たった数分とはいえ、イって即、寝落ちしちまうとは……よっぽど良かったんだな?」
そう言うと、満足げに蒼空はニンマリと笑い、僕の頭を優しく撫でた。
あ・・・そっか……
僕、イかされて、そのまま…寝ちゃったんだ?
「僕……蒼空に…」
つい、さっきまでの事を思い出し…
思い出し…おもいだしっ!
ぼんっ!
顔が真赤に熱くなる。
「あああぁ〜…僕は、ぼくわあ〜!」
「優希ぃ。なかなかの乱れっぷり、惚れ惚れしたぜ?」
ニヤニヤしながらも優しいその笑顔を見た僕は、顔をさらに赤らめる。
「か、仮にも僕は男でぇ〜…蒼空も同じでぇ〜…それなのにぃ〜…」
「なんだ?そんな事気にしてんのか?」
蒼空は、半ば呆れたような顔をしてから
「俺は優希を気持ち良くさせたかった。気持ち良くなっている顔が見たかった。
俺は、自分に正直に行動しただけで、優希はなんにも悪くねぇ。だから、気にするな、そんな事」
もう一度、僕の頭を優しく撫でた。
「それとも、本当は気持ち良く無かった、とか?…あんだけ乱れてまくってたのに?」
・・・い、いえ…
すんごく、気持ち良かったデス、はい…(照れ)
