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がーるず・らぶ 里美と結の場合(R18)

第12章 結の記憶


「おい、里美ぃ!兄貴さんは?」

「兄貴なら、中で仕事してるよ」


 どかどかやって来た怖そうな人達に、私が怯えていると


「大丈夫。連中、ああ見えてみんな優しいから」

「優しいからはネーだろぉ?!こうみえてもココラじゃ有名な狐狸庵駄亜(コリアンダー)って泣く子も黙る……」

「こんな田舎で、たった1つしかない、ボーソー族モドキが、何言ってんのよ」

「モドキじゃネェし!」

「信号守って、深夜になったら迷惑にならない様にあまりバリバリアクセル回さない、他の車やバイクは煽ったりせず、あおり運転してる奴を警察に突き出したり、その上、土曜日の集会では必ず河川敷や海岸でゴミを拾って慈善活動してる、それのどこが泣く子も黙るボーソー族なのよっ!」

「うわ〜…里美ぃ、説明的な長い台詞、ありがとよ」

「しかたねぇだろ?総長の方針なんだからさ」

もう一人の、背の高いお兄さんがバツが悪そうに頭を下げゴリゴリ掻きながら言ってましたけど、顔は笑ってました。


(兄貴の会社の名前……ここから取ってるからなぁ。これを覚えてるんなら、そりゃあ兄貴の会社、探すのは簡単だわ)


「……ねっ?怖くないでしょ?」

私がこくっと頷いたら、先輩はまたにっこりと笑って

「すごいじゃん!他の人達は、あの人達のコト、怖いって思っているんだから。
早速ひとつ、人に負けないトコロ、出来たじゃん♪」

って言ってくれて。


「こうやって、少しずつ、人に負けないところを見つけて、今出来なかったとしても、頑張って出来るようになって。
そうやって、ひとつひとつ負けないくらい自信が付いたら……その頃にはきっと、いじめる奴が周りに居なくなってるかもよ?」

……って。
あの言葉言ってた先輩は、なんだかキラキラしてました。



私、それから……センパイの言葉通りに何でも出来るようになろうと努力して……。
色々するようになったんです。

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