
🕯️悪夢の神様🕯️
第24章 誘惑
それは、皆が帰るまで――――音が聞こえなくなるまで…続き…
くるみは誰も居なくなったことを確認して――――やっと音楽室へと振り向く。
『――――え?』
『皆…帰ったと思った?』
暗い音楽室で振り向いたくるみの視線の先には…
一人の女子生徒が立っていた。
物音がしなくなったから振り返ったくるみだが…部活の先輩がいて焦った。
『せ、先輩――――なんで…!』
『なんでって――――私の彼氏を寝取ったからでしょ?許せるわけないじゃん』
『取ってません!彼氏さんに聞いてください!』
『――――嫌よ…なんで浮気した男と話さなきゃいけないの?キモイ』
『――――そんな…誤解です』
くるみは必死に誤解を解いてほしいと訴えるが――――先輩は聞く耳を持たない。
『私は――――かなりの潔癖なの!あんたも…元カレも…気持ち悪い!彼とは二度と会わないから我慢できるけど――――あんたは違う…後、二年は一緒に学園生活をするのよ?マジであり得ない……マジで――――今すぐ…死んでほしい…』
淡々と語る先輩に…くるみは血の気が下がって行くのが分かる。
