
優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第18章 揺れる日々
3
「咲、今月、ひとりで治療できるかな?」
咲が落ち着いている時を見計らって、声をかけた。
それは、2人で洗濯物を干している時だった。
手伝う前、気持ちが安定していた咲は、笑顔のままで俺に言った。
『春ちゃんが実家に帰っちゃう前に、春ちゃんがやってたこと、お手伝いして覚えなきゃ』
ほっとする反面、無理しているのではないかと、心配なところがある。
『ごめんね、春ちゃん。なんかどうしていいかわからなくて、春ちゃんの服、握っちゃう時あるの……なんか、溺れるって感じになる』
それと、言葉にできない不安なあの時間のことも、言っていた。
いま無理していないか、心配をそのまま咲に尋ねることもできたが、そうしなかったのは咲が頑張ろうとしていたからだった。
心配していることが咲に伝われば、また落ち込んでしまうかもしれない。
そんな危惧もあって。
「咲、今月、ひとりで治療できるかな?」
咲が落ち着いている時を見計らって、声をかけた。
それは、2人で洗濯物を干している時だった。
手伝う前、気持ちが安定していた咲は、笑顔のままで俺に言った。
『春ちゃんが実家に帰っちゃう前に、春ちゃんがやってたこと、お手伝いして覚えなきゃ』
ほっとする反面、無理しているのではないかと、心配なところがある。
『ごめんね、春ちゃん。なんかどうしていいかわからなくて、春ちゃんの服、握っちゃう時あるの……なんか、溺れるって感じになる』
それと、言葉にできない不安なあの時間のことも、言っていた。
いま無理していないか、心配をそのまま咲に尋ねることもできたが、そうしなかったのは咲が頑張ろうとしていたからだった。
心配していることが咲に伝われば、また落ち込んでしまうかもしれない。
そんな危惧もあって。
