テキストサイズ

優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第10章 夏の訪れ

岸に上がって、春ちゃんがいるパラソルまで2人で戻ると、春ちゃんまで大声で笑いだした。

「ははっ!! なんだってずぶ濡れで。派手な水浴びだったねぇ」

全身ぐっしょり濡れた、わたしと優を見ていた。

「咲が悪い」

「優が最初に水かけた!」

同時に言うわたしたちは、春ちゃんの前で子どもだった。

「遠くで見てたけど、最初にコケてたのは咲だったね」

「春ちゃん、寝てなかったの?!」

「はしゃいで楽しそうだったから、ちらっとね」

濡れた体を拭くように、春ちゃんからタオルを渡される。
わたしと優は体を拭いてから、日陰に腰掛けた。
暖かい風が、わたしたちの体を撫でて、なんとなく濡れていたところは、すぐに乾いてしまう。

「寒くないか?」

優に訊かれて、頷く。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ