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ユリの花咲く

第2章 瑞祥苑

私は、先に浴室を出て、遥のバスタオルと着替えを用意する。

洗い替え用の予備のパジャマはあったが、ショーツの新品が見当たらない。

とりあえず、バスタオルとパジャマ持って、バスルームの遥に声をかけた。

「遥、ここにバスタオルとパジャマ置いとくね。でもねぇ、ショーツの新品が無いのよ、この前卸した所で、まだ買ってないの」

「良いですよ」

「私のお古ならあるよ」

私は冗談で言った。

「じゃあ、それ、貸してください!新しく買って返しますから」

「ええ!だって、私が穿いたヤツだよ」

すると、バスルームの扉が開いて、遥が顔を覗かせた。

「だって、有紀さんの穿いたショーツでしょ?
大丈夫に決まってるじゃないですかぁ!
なんだったら、洗濯してなくても・・・。
キャハ!」

本気なのか冗談なのか、年上を惑わせて。
この、小悪魔め!

私は、この前卸したばかりのショーツを出して、遥に渡す。

「多分、汚れとかは付いてないと思う」

「はぁい!ありがとうございます!でも、残念」

またわからない事を言う。

でも、本当の遥に戻って良かった。

「じゃあ、リビングに居るからね。ドライヤーもこっちにあるから」

私はリビングに行って、髪を乾かす。

程なく、遥がサッパリした顔で、やってきた。

「有紀さ~ん・・・」

情けない顔で遥が言う。
その姿を見て、私は思わず噴き出した。

パジャマの胸のボタンがキチキチで、今にも弾けそうになっていた。
「あらまぁ!遥って、おデブさんなのねえ!」

遥が、頬を膨らませる。

「違いますよぉ、おっぱいが大きいだけです!
有紀さんより!」

「ちょっと一言多いけど、おっぱいが大きいのは認めるわ」

私は笑いながら言った。

この部屋に来て、こんなに楽しかったのは初めて。

「遥に知り合えて良かった」

私は、心からそう言った。

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