
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第67章 鉄剤注射
「注射は…とにかく痛いのが怖くて緊張します。あとは、入院してる時と違って看護師さんが毎回違ったりするから、それも緊張します。今日はどんな人かなとか、一発で針入れてもらえるかなとか。」
「んー、なるほどな。そしたら…、明日から祥子さんにしてもらうか。」
「え?祥子さんに?」
「あぁ。今のひなの話聞くと、慣れない看護師だから余計不安に感じるんだろ。痛いのは仕方ないけど、知ってる人なら少しは不安な気持ちもマシにならないか?」
……そうかも。
外来の看護師さんだからいつもより緊張するってのは確かにあった。
祥子さんなら安心できるし、注射も上手なんだもんね。
だけど、そんなのいいのかな?
通院で祥子さんにやってもらえるのかな?
「祥子さんにしてもらえるなら、わたし祥子さんがいいです。でも、そしたら入院しないとダメですか?」
「いや、入院はしなくていいだろ。今まで通り通院で打ってもらえばいい。まずは藤堂先生に相談するけど、まぁ問題ないはずだ。俺から頼んどくから。」
「本当にいいんですか?ありがとうございます。」
「あぁ。明日、学校終わるまでにLIMEしとくから、それ見て病院行くんだぞ?」
「はい。わかりましたっ。」
