
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第67章 鉄剤注射
「なぁ…ひなどうした…?」
……っ//
後ろから抱きしめたまま、おでこに手を当ててくる五条先生。
今日はその手より、耳元の声と吐息にドキドキして仕方ない。
「ど、どうしたって、熱なんてないですよ…?」
「うん、熱はないな。んで、元気もないな。俺、帰ってきてから1回もひなの笑った顔見てないぞ。そもそも顔すらちゃんと見れてない。ずっと俯いてるから…」
……っ…!?
今度はおでこの手が頬にスライドしてきて、そのままクイっと五条先生の方に向かされた。
わたしの首は後ろまで回らないけど、五条先生が覗き込んでくるからがっつり目は合ってる。
そして、焦点を合わせるのに時間がかかるほど顔が近い…
「ゴ、ゴジョウセンセ…」
五条先生は何も言わずに10秒くらいじーっと見つめてから、
「よし、ソファーで話そう。」
「え?ひゃぁっ!」
お姫様抱っこでソファーに移動。
