
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第127章 懊悩
「ひな…。」
五条先生が、今度は両手でわたしの頬を包む。
「ぅっ、ヒック、うぅっ……ヒック、ヒック」
一度溢れ出すともう止まらない。
「ひな。」
しゃくり上げて泣くわたしをぜんぶ、五条先生はベッドに腰掛けてすっぽり包む。
「ぅ、グスッ、ヒック、ヒック、ううっ、グスッ、ヒック、ヒック…うっ…」
「大丈夫、大丈夫。落ち着こう。」
五条先生は背中を優しく撫で続け、
「つらいな。大丈夫だから。」
頭も撫でてくれて、
「ヒック、ヒック、っ、ヒック…」
スクラブがびしょびしょになっても、胸に顔を埋めて思いっきり泣かせてくれた。
