
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第124章 三度(みたび)
着替えのために研修医室へ向かう途中、
「…っ、くっ…」
また急に胸が痛み、廊下で壁に手をついて、その場でゆっくりしゃがみ込む。
「…っ、ぅっ"…」
今、手元に水がない。
冷や汗と脂汗が同時に吹き出しながら、早く治まってくれないかと息を止めるけど、なかなか治まってくれない。
すると、
「おい、どうした!?」
たまたま通りかかったのか、わたしに駆け寄って来たのは豪先生。
「…っ、ッ、……っ"」
すぐに立ち上がってこの場を去りたいと思うのに、身体が言うことを聞けない。
そんなわたしに豪先生は、
「大丈夫だ、落ち着いて。」
丁寧かつテキパキと、心臓に負担がかからないようわたしに楽な姿勢を取らせて、
「小野寺だ。ひなちゃんが倒れた。5階の渡り廊下、すぐ来れるか?水持って来い。」
誰かに電話をかける。
