
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第121章 渡米
「それじゃあ、ひなちゃん気をつけてね。いってらっしゃい。」
そして、空港に着き、藤堂先生はすぐ病院に戻らないといけないので、出国フロアまで一緒に来てもらったら、ここでお別れ。
わたしはひとり、チェックインカウンターへ。
アメリカ行きの航空券は藤堂先生が手配してくれた。
藤堂先生にもらったのは、ビジネスクラスの航空券。
航空券を用意してもらっただけでも申し訳ないのに、長距離フライトでエコノミーはわたしの身体につらいからって。
機内でも少しでも休めるようにと、ビジネスクラスを手配してくれた。
飛行機には幼い頃に乗っているはずだけど、わたしにとってはこれが初めても同然。
緊張しながらチェックインに並び、荷物を預け、緊張しながら保安検査を抜け、出国審査を抜け、
「搭乗時間まではラウンジで過ごすといいよ。深夜便だから乗ってすぐ出てくるとは思うけど、機内食はいつ食べられるかわからないから、軽くだけ食べておくようにね。」
と言われていた空港ラウンジへ。
ラウンジは思ったより混んでいなくて、隅っこの空いていた席に座り、藤堂先生に言われた通り、サラダやフルーツ、スープを少し食べて過ごした。
