
不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第37章 その後の物語
奈美の息子”恭ちゃん”も、もうすぐ5歳。
最近では家族3人でキャンプに出かける事も増えたようで、奈美の不安や不満も長いこと聞いていないように思える。
「最近になってやっとだよ、お父さんらしくなってきたの」
そう嬉しそうに話す奈美は、2人目の”妊活中”だ。
ミノルくんと個人的に会う頻度は少しずつ減っていき、今では月に数回、子供たちの通うスイミングスクールで顔を合わせるのだという。
子供たちが泳ぐ間、2人はコーヒーを飲みながら子供の成長や情報交換などをお喋りするそうだ。
一時は色々あった2人だけれど、今でも別の意味で良い関係を築いているように思う。
今でも女の気配がないミノルくんに対し、「いつかは素敵な奥さんを…ね」と話す奈美の目は、心からの慈愛に満ちていた。
