
不純異性交際(下) ―それぞれの未来―
第37章 その後の物語
上の子が次の春で中学を卒業するというケイに、毎回懲りもせずにバラ組は驚きの声をあげる。
娘のバレーボールの役員に奔走してきた3年間が終わる事、旦那がやっと昇級して肩書きが変わる事を話すケイはやっぱり誰よりも芯が強い。
「下の子はまだ小学生だけど、上が高校生になったらバラ組の集まりにももーっと参加するぞ~」
一番早く”お母さん”になったケイは、いつも私たちの姉御のような存在だ。
33歳にして結婚歴15年にもなるケイは、「根性で走り続けてきた(笑)」と随所で口にする。
人にはそれぞれ、本気モードで走るべき期間があると思う、と彼女は言う。
それはどうしても逃れられないものであり、しかしそれで得るものは人生最大に大きなものだと信じている…と。
「ケイの娘ちゃんも、私たちが過ごしたあの頃と同じくらいの年齢なんだね」
そこからまた、懐かしい話に花が咲く。
私たちは33歳になった今だって、心はあの頃のままだった。
ささいなことを気にして、傷ついて、
泣いて、励まし合って、
そしてまたゆっくりと歩みだす。
きっと私たちはこれからも、そうして生きていく。
