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蜃気楼の女

第7章 1996年5月 クウェート

20センチメートルはあるかと思う舌を天井に向けて伸ばした。それは蛇のごとく長い舌であった。舌の先が二股に分かれていた。安田にはナルミがぬれた唇のすき間から長い舌を出す蛇に見えた。直後、ナルミは大きな口を広げると、安田を頭から飲み込んでいった。ナルミの口から胃袋にかけてゆっくり安田は運ばれていく。安田は暗闇の中で全身の骨がバキバキ音を立てて壊れていった。全身に痛みが走る。痛みがやがて官能に変わり、やがて、絶頂が巡ってくる。それを何度となく繰り返した。そんな、終わりのない悪夢を見ているような不思議な感覚に襲われていた。
 医務室で、何度も、安田はナルミによって射精させられた。放出させられたミルクはナルミの胃袋に蓄えられた。
「すごいわ、いっぱい、いくらでも出てくるわ。若さってすてきだわ」
 ナルミは安田から噴出する白い液体を何度も口の奥深くで受け止めると口の中で、受け止めた液体の存在を舌で確認し、味わいながらゆっくり時間を掛けて飲み干した。
「ああ、す、すごい、すごいわ。それにとても濃厚で美味しいわ…… 」
 何回かは口の中で受け止められず、勢いが余ったミルクは、口の周囲にこぼれ出た。ナルミは指の先で垂れたミルクを丁寧にすくい取った。最後、指の先に絡みついた液体をじっと凝視した。
「フフフ…… 今夜の宴でも、あなたのミルクをしっかり味わいたいわ…… 」
 ナルミはいつまでも安田の勢いが衰えない性器を右手でしっかり握りしめた。手のひらから飛び出した性器の先を愛おしく眺めた後、頬を近づけて頬を擦りつけ、その刺激で性器はさらに膨張した。
「すぐに元気になるのね、すごいわ…… 」
 ナルミは口からためた唾を性器の上に垂らした。糸を引いた唾が、ナルミの唇から切れ、安田の性器の上にゆっくり落下した。その行為を楽しんだナルミは、自分の胸を両手でもみしだいた後、絶叫した。
「いいいー いいいいーーーーー くっっーー]

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