
宅配のお兄さんにどんどん逃げ場を無くされるはなし
第5章 逃亡
ーー大学で経営学を学び、祖父母のカフェを継ぐ。
これが私の目標である。
私の両親は、私を幼稚園に迎えに行く道中、対向車の暴走が原因で亡くなってしまった。
しかし、祖父母は私を本当に何不自由なく育ててくれた。
祖父のサラリーマン時代の退職金は本来であれば、老後資金になるはずだったのに、定年の無い自営業をするためカフェ開業に充ててくれたのだ。
カフェは地域の人たちに愛され、常連客の方にはたまに店頭に立つと可愛がってもらっている。
両親がいないことで負い目を感じることが多少はあったけれど、私には代わりに暖かいカフェと祖父母がいると思うと何でも乗り越えられた。
祖父母は「私達がやりたくてやってるカフェだから、優花ちゃんが負い目に感じる必要はないよ。継ぐなんて考えなくていい。」と何度も言ってくれたけれど、私は考えを曲げなかった。
本当は高校を卒業して直ぐに継ぐつもりだったけれど、祖父母には大学に行くべきと背中を押して貰い、「遠くても志望校に行きなさい。」と下宿までさせてもらっている。
私もバイト代で、下宿費用を稼いでいるものの殆どは仕送りに頼っている。
前回の引越しでも、迷惑をかけたのにまた負担はかけられない。
これが私の目標である。
私の両親は、私を幼稚園に迎えに行く道中、対向車の暴走が原因で亡くなってしまった。
しかし、祖父母は私を本当に何不自由なく育ててくれた。
祖父のサラリーマン時代の退職金は本来であれば、老後資金になるはずだったのに、定年の無い自営業をするためカフェ開業に充ててくれたのだ。
カフェは地域の人たちに愛され、常連客の方にはたまに店頭に立つと可愛がってもらっている。
両親がいないことで負い目を感じることが多少はあったけれど、私には代わりに暖かいカフェと祖父母がいると思うと何でも乗り越えられた。
祖父母は「私達がやりたくてやってるカフェだから、優花ちゃんが負い目に感じる必要はないよ。継ぐなんて考えなくていい。」と何度も言ってくれたけれど、私は考えを曲げなかった。
本当は高校を卒業して直ぐに継ぐつもりだったけれど、祖父母には大学に行くべきと背中を押して貰い、「遠くても志望校に行きなさい。」と下宿までさせてもらっている。
私もバイト代で、下宿費用を稼いでいるものの殆どは仕送りに頼っている。
前回の引越しでも、迷惑をかけたのにまた負担はかけられない。
