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　　　　　　　　　２９

　先生が、わたしを、優しく抱きしめてくれました。
　「三崎さん
　　裸で
　　抱きあうのは
　　気持ちいいでしょう」
　「ドキドキして
　　気持ちいいかどうか
　　あまり
　　わかりません」
　「そうか
　　無理ないね
　　こうやって
　　裸で
　　抱きあうなんて
　　はじめてでしょうからね」
　「はい」
　「三崎さん
　　私を
　　見てごらん」
　「はい」
　「私は
　　どんな
　　表情を
　　している？」
　「優しいです」
　「うん
　　嬉しそうかな？」
　「はい」
　「三崎さんと
　　裸で
　　抱きあえるのが
　　嬉しくて
　　たまらないの」
　「ほんと？」
　「ほんとだとも
　　三崎さんも
　　嬉しいですか？」
　「はい
　　嬉しいです」
　「気持ちよさは
　　感じてきませんか？」
　「嬉しいほうが
　　おおきいです」
　「嬉しいと
　　思ってくれるなら
　　しばらく
　　抱きあっていましょう」
　「はい」
　裸のまま抱きあって、わたしの髪を撫でてくれたり軽いキスを続けてくれました。
　それは、性的な感じというよりも、抱きあっていることが嬉しいという感じなのです。
　「三崎さん
　　頬が
　　赤らんできました
　　気持ちよく
　　なったのかな？」
　「ええ
　　なんだか
　　先生に
　　しがみつきたくなりました」
　「うん
　　三崎さん
　　私に
　　しがみついて」
　「先生
　　先生」
　と言いながら、先生にギュッとしがみつきました。
　先生も、わたしを、力づよく抱きしめてくれました。