
❇️片暉の残照❇️
第19章 赤と青の欲望
「可愛い容器のお菓子ですね?コーテル様がお選びになったのですか?」
テーブルにコーテルのマシュマロとテイスの持ってきた焼き菓子が並んだ。
「――――いや、お母様とネールがお茶をしていて…そこで譲ってもらったのです…」
「そうでしたか!ピンクのマシュマロ可愛いです!」
コーテルは先程の荒れたテーブルを思いだし辛くなった。
救えたお菓子はこのマシュマロだけ…
後はネールにぐちゃぐちゃにされ無惨な姿だった。
「へへへ――――そんな可愛いマシュマロの隣で出すもの恥ずかしいなぁ…」
「え?」
テイスの不思議な笑い方に我に返るコーテ、はマシュマロの隣にある地味な焼き菓子に目が行く。
