
❇️片暉の残照❇️
第12章 お茶会と緊張の挨拶
――――…
「どういうこと!?どう言うことなのよ!」
お茶会が終わり――――高位貴族に準備された晩餐会まで滞在できるコレジバ公爵用控え室にて、インギルは怒り狂っていた!
「インギル様――――お止めください!」
「うるさい!うるさい――――!うるさい!」
コレジバ公爵に用意された控え室に戻るなり、インギル嬢は扇子で付き添っていたメイドの一人を力いっぱい殴り付けた!
何度も何度も叩くので、扇子はすでにボロボロになっていたが、インギル嬢の怒りは収まらず!
落ち着くようにと運ばれてきたお茶すらも乱暴に掴むとカップごとそのメイドに投げつけた!
「キャァ――――!」
幸い、熱いのを好まないインギル嬢のために温めの温度にはなっていたが…投げつけられたカップの痛みと紅茶の温度に――――メイドは悲鳴を上げた!
「インギル様――――!他の領主控え室に聞こえてしまいます!」
