
ここから始まる物語
第22章 最後の戦い
【敵の食糧を狙う】
ぎぎぎぎ、と重い音を立てて、門が開きます。
ライは、ふんと鼻から息を吹きました。
手に持っているのは、大きな梯子。大人が三人ほど縦に並んだくらいの長さのある、鉄でできた頑丈な梯子です。普通の人間なら持ちあげることさえ大変ですが、怪力の持ち主であるライなら、振り回して敵を薙ぎ払うには、丁度いい重みです。
ライがいるのは北の門。門の向こうには、敵の大軍が待ち受けています。
ライに続くのは、味方の軍隊の九割の兵士たち。つまり、アウィーコート王国の、ほぼすべての兵士を、ライは率いているのです。それでも、エカタバガン軍の兵士の数にはかないません。
しかし、だからこそ、ライの気持ちは燃え上がるのでした。
蝶番の軋む音と共に、ゆっくりと門が開いていきます。そして兵士十人ほどが通れるくらいにまで開くと、ライは雄叫びをあげました。
「おおおおおおおおッ」
その声に驚いたのか、敵の兵士たちは一瞬、後ずさりしました。
まずは敵の心を挫くことができたようです。その隙を、ライは見逃しませんでした。
「続けええええええええッ」
ライは再び吼えると、武器の梯子をぐるぐると回しながら、敵のど真ん中へ突き進んでいきました。
しかし敵の兵士も負けてはいません。はじめは怖気付いた様子を見せていましたが、それぞれの部隊の隊長の号令を聴くと、すぐに態勢を整え、ライに向かって槍を突き出します。
が、そんな槍など、ライから見れば薔薇の棘ほどのものでしかありません。ライは、梯子を力任せに薙ぎ払います。その勢いで、敵の槍はいっせいに横へ靡き、槍を持っている兵士の中には体ごと持っていかれる者もいました。また、敵の持っている槍のほとんどは、その穂先をへし折られてしまいました。
ぎぎぎぎ、と重い音を立てて、門が開きます。
ライは、ふんと鼻から息を吹きました。
手に持っているのは、大きな梯子。大人が三人ほど縦に並んだくらいの長さのある、鉄でできた頑丈な梯子です。普通の人間なら持ちあげることさえ大変ですが、怪力の持ち主であるライなら、振り回して敵を薙ぎ払うには、丁度いい重みです。
ライがいるのは北の門。門の向こうには、敵の大軍が待ち受けています。
ライに続くのは、味方の軍隊の九割の兵士たち。つまり、アウィーコート王国の、ほぼすべての兵士を、ライは率いているのです。それでも、エカタバガン軍の兵士の数にはかないません。
しかし、だからこそ、ライの気持ちは燃え上がるのでした。
蝶番の軋む音と共に、ゆっくりと門が開いていきます。そして兵士十人ほどが通れるくらいにまで開くと、ライは雄叫びをあげました。
「おおおおおおおおッ」
その声に驚いたのか、敵の兵士たちは一瞬、後ずさりしました。
まずは敵の心を挫くことができたようです。その隙を、ライは見逃しませんでした。
「続けええええええええッ」
ライは再び吼えると、武器の梯子をぐるぐると回しながら、敵のど真ん中へ突き進んでいきました。
しかし敵の兵士も負けてはいません。はじめは怖気付いた様子を見せていましたが、それぞれの部隊の隊長の号令を聴くと、すぐに態勢を整え、ライに向かって槍を突き出します。
が、そんな槍など、ライから見れば薔薇の棘ほどのものでしかありません。ライは、梯子を力任せに薙ぎ払います。その勢いで、敵の槍はいっせいに横へ靡き、槍を持っている兵士の中には体ごと持っていかれる者もいました。また、敵の持っている槍のほとんどは、その穂先をへし折られてしまいました。
