
ここから始まる物語
第22章 最後の戦い
「ややこしい内容になりますので、ようくお聴きくだされ」
※
まず、われわれは軍を二つに分けます。といっても、半々ではありません。九割と一割に分けまする。
九割の軍は、大いに敵を引きつけながら、敵が食糧を隠している砦へ向けて進みます。敵は大慌てでこちらの九割の軍を狙ってくるでしょう。これで、敵の本陣も、守りが手薄になっているはずです。
その隙に、残りの一割は本陣が敵の本陣を狙います。敵の守りは薄くなっているはずなので、攻撃するのはたやすいことでしょう。この時に、敵の将軍を討ち果たすのです。そうすれば敵の大軍は乱れて、こちらに勝ち目も出てくるはず・・・・・・。
※
「いかがでしょう。ピスティさま」
目を光らせるゲンに、ピスティは言いました。
「すごくいい考えだよ!」
ライも目を輝かせて、大声をあげました。
「それはやり甲斐のある作戦だあ!」
「委細承知」
ライとは反対に、フウは相変わらず落ち着いた様子で賛成しました。
参謀たちも、反対意見を出しません。
「意見のある方は、ぜひ言ってくだされ。わしとて神ではない。手落ちがあるかもしれぬでな」
ゲンは念を押しましたが、やはり意見を出すものはいませんでした。
「ようし、決まりだ!」
ピスティは拳を握りしめました。
「じゃあ、僕が役割を任命する。敵の食糧を襲う九割の隊は、ライが率いてくれ。僕は一割を率いて敵の本陣を突く。フウは、自由に動き回って、手の回らないところを補佐してほしい。それと、情報を常に集めてほしい。それから、ライは避難区域にいる人たちを守ってあげてほしい」
「仰せのままに」
ゲンは頭をさげました。
「暴れてやるだよう!」
ライは太い腕を曲げて力こぶを作ってみせました。
「其疾如風」
風のように早く動いてみせる――とフウは言いました。
※
まず、われわれは軍を二つに分けます。といっても、半々ではありません。九割と一割に分けまする。
九割の軍は、大いに敵を引きつけながら、敵が食糧を隠している砦へ向けて進みます。敵は大慌てでこちらの九割の軍を狙ってくるでしょう。これで、敵の本陣も、守りが手薄になっているはずです。
その隙に、残りの一割は本陣が敵の本陣を狙います。敵の守りは薄くなっているはずなので、攻撃するのはたやすいことでしょう。この時に、敵の将軍を討ち果たすのです。そうすれば敵の大軍は乱れて、こちらに勝ち目も出てくるはず・・・・・・。
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「いかがでしょう。ピスティさま」
目を光らせるゲンに、ピスティは言いました。
「すごくいい考えだよ!」
ライも目を輝かせて、大声をあげました。
「それはやり甲斐のある作戦だあ!」
「委細承知」
ライとは反対に、フウは相変わらず落ち着いた様子で賛成しました。
参謀たちも、反対意見を出しません。
「意見のある方は、ぜひ言ってくだされ。わしとて神ではない。手落ちがあるかもしれぬでな」
ゲンは念を押しましたが、やはり意見を出すものはいませんでした。
「ようし、決まりだ!」
ピスティは拳を握りしめました。
「じゃあ、僕が役割を任命する。敵の食糧を襲う九割の隊は、ライが率いてくれ。僕は一割を率いて敵の本陣を突く。フウは、自由に動き回って、手の回らないところを補佐してほしい。それと、情報を常に集めてほしい。それから、ライは避難区域にいる人たちを守ってあげてほしい」
「仰せのままに」
ゲンは頭をさげました。
「暴れてやるだよう!」
ライは太い腕を曲げて力こぶを作ってみせました。
「其疾如風」
風のように早く動いてみせる――とフウは言いました。
