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ブラコンですが、なにか?

第4章 Cute little brother Kazunari①

「おい、それ俺んだ」

ペチッと俺の卵焼きに箸を伸ばす雅紀の手を叩く。

「いってぇ、いいじゃん。一個くらい」

頬をワザとらしく膨らませて拗ねて見せる。

「変顔してんじゃねーよ」

「変顔じゃねーし!」

可愛く拗ねて見せているんだろうけど、全然かわいくない。


和也がするからこそ、可愛いんだ。


「ごめん…っ、すぐ雅紀にぃの分も用意するね」

潤を起こしてきたであろう和也の頬はまた赤く染まっている。


今日も無事、任務完了……だな。


「ぉ…はよ」

ふぁーっと欠伸をしながら潤がリビングになってきた。

「おはよ」

「おはよー」

低血圧で朝にめっぽう弱い潤を機嫌よく起こせるのは和也しかいない。


ホント毎日、羨ましい起こされ方だよな。


だからと言って俺、いや俺たちが起こそうとは思わない。


マジ、俺らが起こすと潤……怖いんだもん。


「あち…っ」

動揺が残っているのか、直接蓋の取っ手を触ったみたいだ。

「大丈夫か?」

「あ…うん、大丈夫」

流水で少し指を冷やすと、雅紀と潤の分の朝食の用意を始める。

「ああいうのを可愛いっていうんだよ」

「それは間違いないね……和也、俺も手伝うよ」

和也の横に行く雅紀。

「ありがとう、助かる」

「でもその前に……」

パッと和也の手を取ると、さっき冷やしていた指を見つめる。

「痛いの痛いの飛んでけぇ~」

チュッと指先にキスをする雅紀。

「だっ、大丈夫だから!それより、玉子とって!」


手伝いというより……触れたいだけだろ。


「ちょっ、潤!離れて、焦げる…っ」

後ろから和也に抱き、玉子焼きを焼く様子を見ている潤。


まぁ、何してたって和也は可愛いから仕方ない。


「うんめぇ」

パクッと卵焼きを口に運んだ。


「もぉぉぉぉぉ!2人共、座ってて!」

今日も和也の怒号がリビングに響いた。

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