
狼からの招待状
第4章 迷路 -MIROH-
「ところでユノ先輩、ハロウィンの事件を覚えてますか」…マフラーを取った、真白なシャツ姿のグレが話し始めた。
「たしか、─姉妹が殺され─て教会で中年の男も─」「昨夜。中年男は泥酔死、別の場所で死んだのを、教会まで運んで暴行した…死体損壊。それが判明しました」「暴─行?」「司法解剖の鑑定が出て…、姉妹は他殺です。異常殺人」「異常って」珈琲碗を口元に運んだグレは、「殺すだけで快感を得る快楽殺人症。犯人は性異常者、変態です」一瞬、チャンミンが若い女性二人を血の生け贄に捧げる幻が、過る…。
「それだけではなくて、…死姦されてました、姉妹ふたり」「え」ユノはぽかんと口を開けた。 「残留した体液が複数のものだった。公園に転がった二つの女の死体を数人が犯した」「…そんな…」
─隣のテーブルの看護士たちも、他の医学生らしい客らもとうに消えて、レストランは閑散としている。
「今夜も大学で検屍があります。捜査に出来る限りの協力がしたい。けれど」艶やかな前髪に翳るグレの貌。「死体は蘇えらない。犯人は一度しか死刑に出来ない」
「たしか、─姉妹が殺され─て教会で中年の男も─」「昨夜。中年男は泥酔死、別の場所で死んだのを、教会まで運んで暴行した…死体損壊。それが判明しました」「暴─行?」「司法解剖の鑑定が出て…、姉妹は他殺です。異常殺人」「異常って」珈琲碗を口元に運んだグレは、「殺すだけで快感を得る快楽殺人症。犯人は性異常者、変態です」一瞬、チャンミンが若い女性二人を血の生け贄に捧げる幻が、過る…。
「それだけではなくて、…死姦されてました、姉妹ふたり」「え」ユノはぽかんと口を開けた。 「残留した体液が複数のものだった。公園に転がった二つの女の死体を数人が犯した」「…そんな…」
─隣のテーブルの看護士たちも、他の医学生らしい客らもとうに消えて、レストランは閑散としている。
「今夜も大学で検屍があります。捜査に出来る限りの協力がしたい。けれど」艶やかな前髪に翳るグレの貌。「死体は蘇えらない。犯人は一度しか死刑に出来ない」
