
狼からの招待状
第3章 火影
ユノが顎でうなずきながら、スマホを取り出しかけると、中国語が後ろから聞こえて来た。
「怖いね」「うん」背中にまとめた黒髪を長く垂らした、タータンチェックのスカートの女子学生が、スマホをかざしながら、「留学生だって」「あたし達と同い年くらい?」画面を脇から覗くもういっぽうの女子学生は、金髪にボブヘアを染めている。
「可哀そう」「留学生活はじめたばかりだって」「姉妹揃って殺されちゃうなんて」「ハロウィンの夜に、あの公園に何で…?」エレベーターの前で立ち止まる二人。
「あそこ、前も殺人あった」「東京出身だって…公園なら夜でも安全って思った?」「だけど─無用心だよね。やっぱり…」
中国語のお喋りは、エレベーターの自動扉が閉じると同時に、かき消えた。
「怖いね」「うん」背中にまとめた黒髪を長く垂らした、タータンチェックのスカートの女子学生が、スマホをかざしながら、「留学生だって」「あたし達と同い年くらい?」画面を脇から覗くもういっぽうの女子学生は、金髪にボブヘアを染めている。
「可哀そう」「留学生活はじめたばかりだって」「姉妹揃って殺されちゃうなんて」「ハロウィンの夜に、あの公園に何で…?」エレベーターの前で立ち止まる二人。
「あそこ、前も殺人あった」「東京出身だって…公園なら夜でも安全って思った?」「だけど─無用心だよね。やっぱり…」
中国語のお喋りは、エレベーターの自動扉が閉じると同時に、かき消えた。
