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狼からの招待状

第7章 ブルー・クリスマス

 「早いものでございますな、明日で1月も終わるとは」白い髭のキム侍従は、制服のように今日も黒いスーツ姿…
 「ユノ、その観光サイト。僕も見たい」白い雪の山脈の写真に、チャンミンは見入る。
 麓のコテージ、赤い尖り屋根…「登山や写真によさそう。チャンミン─お前の趣味に合うな」穏やかに云ってユノは、笑みを浮かべる。
 ─クリスマス週間、ニューイヤー。キム侍従に添われながら、ふたりは特別病棟で過ごした。
 チャンミンはユノが戸惑うほど、終始機嫌がよかった。
 クリスマスに解決─テディの言葉をふっと、ユノは思い出す。
 「僕も…こういうの…撮りたい、いい…」タブレットを触るチャンミンは、笑顔。
 「いつ? 行くの…」「チャンミンさまのご調子しだいで、ございますよ」「僕は調子いいよ」「何よりでございます」軽く礼をする、キム侍従。 「ユノ。ユノも早く行きたいよね?」笑顔に、頷き返す…
 ……「チャンミン」「うん」「最近。─クリスマスから気分いいね」「うん。早く退院したい」「そうか、そうだな…」「ユノ。僕、歌うたいたい」「歌ってくれよ」
 …チャンミンは目を閉じて、歌い出す。

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