
新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜
第15章 クラウン
聖輝「あと、万引きでおかしい証言も聞きました。」
横山「おっ、おかしい証言?」
聖輝「はい。実は松本さん…万引きをした30分前に同じコンビニに来てたんです。」
横山「えっ?」
聖輝「しかも…万引きした栄養ドリンクを4本も買って。」
横山「なっ?!」
狛犬「おかしいよね?30分前に栄養ドリンク4本買った人がもう一回同じもの買うなんて。」
横山「そっそれは…つっ追加で買ったんちゃうん?」
聖輝「栄養ドリンクを一気に使う時ってありますか?」
横山「ぐっ…!!」
狛犬「カメラの位置からして栄養ドリンクの場所が万引きの瞬間を撮りやすいって思ったかもしれないけど…それが答えを教えてくれた!!」
聖輝「そう…この偶然こそが…万引きは仕組まれたことだったんです!!」
横山「なっ…?!」
聖輝「横山さん…もし…まだ無実を主張するなら…その左手の包帯取ってください!!」
横山「いやっこれは…魔王にやられたって言ったやん!捻挫してんねん、捻挫。」
狛犬「!!」
横山「おっおい!!やめろっ!!」
シュルル…
聖輝「あっ…?!」
狛犬「やっぱり…捻挫は嘘だったようだね。」
横山「くっ…!!」
手のひらには大きな切り傷があった。
狛犬「この手のひらにある大きな傷跡はどう説明すんの?」
横山「これは…その…あっあれや!この間野菜切ってた時にザクッといってな…」
聖輝「嘘ですよね?」
横山「うっ嘘ちゃう!こう見えて俺めちゃくちゃ料理好きやねん!だから」
狛犬「じゃあこのトランプの側面とその傷、一緒じゃないってことだよね?」
横山「そっ…そうや…」
聖輝「じゃあ今すぐ照合させてください!」
横山「……。」
聖輝「横山さん!」
横山「……断る……」
狛犬「どうして?包丁で切ったんでしょ?だったら同じ傷口じゃないはずでしょ?」
横山「……。」
狛犬「松潤に完璧に変装したつもりでも、この左手は隠せなかったみたいだね。」
聖輝「やっぱり…あなたが犯人なんですね…あなたが…」
横山「…ふふっ…あははっあはははっ!!」
横山さんは突然狂ったように笑い出した。
