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新・Beast〜獣たちに好かれた僕〜

第15章 クラウン



横山「は?何それ?」


狛犬「このスマホにはコンビニで万引きを目撃した店員が写メした松潤が写っている。」


横山「何やと?!」


聖輝「そして、このトランプはある人が事件現場で拾って僕に渡してくれたものです。」


横山「ふっふん、それのどこが証拠やねん?」


聖輝「まずはこちら、トランプを見てください。」


横山「どっからどう見ても普通のトランプやん。」


聖輝「このトランプ…実は側面に血が付いています。」


僕はトランプの持ち方を変え、血が付着している部分を露わにした。


横山「?!」


聖輝「トランプって紙の割には結構固くて…切ったら結構傷が付きますよね。」


狛犬「この血の量から考えると結構深い傷を負ったんじゃないかな〜?」


横山「……。」


聖輝「そしてつぎにこちら、万引きをする時の松本さんの写真の…手を見てください!」


横山「手?あぁ、万引きしとるな。」


聖輝「違います!見るのは右手じゃなくて、ポケットに隠してる左手です!」


横山「左手?」


狛犬「よーく見るとさ、ケガしてるでしょ?左手ぐるぐるに包帯巻いてさ…ちょうど横山くんの左手のように。」


横山「なっ!?」


聖輝「そしてこの万引きをしている松本さんの写真の左手を見てください。」


狛犬「この写真にも包帯巻いてる左手が写ってるよね?」


横山「……。」


聖輝「この2枚の写真とトランプ…考えられる可能性は松本さんを陥れた犯人はトランプでケガをしたということです!!」


横山「何やと…?!」


狛犬「あれ〜?何か写真と横山くんがしてる包帯が同じような気がするんだけどなぁ〜」


横山「ちょっ待てや!!確かに俺はケガしてる!でもな…松本だってケガしてるかもしれへんやん?!」


聖輝「それはあり得ません。」


横山「何でや?!」


聖輝「僕達は一昨日松本さんに会いました。その時松本さんは手なんかケガしていませんでした。」


横山「なっ?!」


狛犬「それに、左手のケガについては松潤と会ったらすぐに証明されると思うよ。」


横山「……。」

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