
ぼっち─選択はあなたに─
第24章 モンブラン城の秘密
ヤクモはヒカルたちの前に出ていくと、リュージンの前で立て膝をついた。
「只今戻りました、殿下」
そう言って頭を下げるヤクモを見て、ヒカルはリュージンが本当に王子なのだと思い知らされる。
ヤクモは誰よりも背が高く、スラリとした細身だった。頭の先から足の先まで肌以外は黒一色で纏っており、左目は黒髪でほぼ隠れている。右目の瞳の色は僅かに赤みがかっていて、パッと見近寄りがたい雰囲気だ。
しかも驚いたのは足音が全くしないこと。気配も感じなかったし、本当に同じ人間なのかと疑いたくなる。
「ヤクモです、以後お見知りおきを」
静かに話すヤクモをジッと見ていると、一瞬目が合ってしまった。
「……っ……」
心の中まで見透かされてしまいそうな赤い瞳に怖くなり、ヒカルは思いきり目をそらしてしまう。
「こら、ヤクモ。あんまりヒカルを怖がらせるなよ」
「……」
リュージンがすかさず和ませてくれたので、ヒカルはホッと胸を撫で下ろした。
たぶんヤクモと二人きりになったら、息が詰まって一分ももたないだろう。
「で、ザッハの行方はわかったのか?」
「!」
ヒカルたちはその名前を聞いて一斉にリュージンの方に振り返った。まさかリュージンがザッハの行方を調べていたとは……。
「只今戻りました、殿下」
そう言って頭を下げるヤクモを見て、ヒカルはリュージンが本当に王子なのだと思い知らされる。
ヤクモは誰よりも背が高く、スラリとした細身だった。頭の先から足の先まで肌以外は黒一色で纏っており、左目は黒髪でほぼ隠れている。右目の瞳の色は僅かに赤みがかっていて、パッと見近寄りがたい雰囲気だ。
しかも驚いたのは足音が全くしないこと。気配も感じなかったし、本当に同じ人間なのかと疑いたくなる。
「ヤクモです、以後お見知りおきを」
静かに話すヤクモをジッと見ていると、一瞬目が合ってしまった。
「……っ……」
心の中まで見透かされてしまいそうな赤い瞳に怖くなり、ヒカルは思いきり目をそらしてしまう。
「こら、ヤクモ。あんまりヒカルを怖がらせるなよ」
「……」
リュージンがすかさず和ませてくれたので、ヒカルはホッと胸を撫で下ろした。
たぶんヤクモと二人きりになったら、息が詰まって一分ももたないだろう。
「で、ザッハの行方はわかったのか?」
「!」
ヒカルたちはその名前を聞いて一斉にリュージンの方に振り返った。まさかリュージンがザッハの行方を調べていたとは……。
