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ぼっち─選択はあなたに─

第17章 バトルトーナメント【5回戦】

 しかし触手は再生しなかった。

「!?」

 しかも斬り落とされた触手は黒い灰となって消滅していく。

「なっ……ばかな! 触手が再生しないだと!? しかも灰にっ……どういうことだ!?」

 アズサは体に力を込めた。しかしそれでも新たな触手は生えてこない。

「なぜだ、なぜだ、なぜだぁ! 貴様、一体何をしたあぁぁぁーーー!!」

 アズサは怒り狂い、ゲンスケに襲いかかる。
 しかし両腕のない状態で走ったせいか、バランスを崩して倒れそうになった。

 ゲンスケは両手で刀を構えると、アズサを一刀両断した。

「必殺・破軍建返(はぐんたてかえし)!」

 縦一文字に斬った部分からは眩しいほどの赤い光がほとばしる。

「ギャアアアアッ! 嫌だ、死にたくないっ! 死にたくなっ……」

 アズサは一瞬で灰となって消滅した。
 それはあっという間の出来事で、会場全体が静寂に包まれた。

『す……すごいです!! ヤマモトゲンスケ選手、シャドー化したアズサ選手を討伐したぁぁぁ!!』

 沈黙を破ったユッキーメの叫びに、観衆たちも歓声を上げる。

「でもどうして触手が再生しなかったんだ? あの赤い光はなんだ?」

 討伐隊の一人がゲンスケに尋ねると、ゲンスケは刀を振り払い、鞘に収めた。


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