
ぼっち─選択はあなたに─
第17章 バトルトーナメント【5回戦】
「…っ!」
ゲンスケはやや強いダメージを受けるが、すぐに立ち上がった。そして触手を避けながらアズサの懐に入ると、右腕をバッサリ斬り落とした。
「ぐわあっ! 俺のっ……俺の右腕がぁぁ!」
斬られたところからは大量の血が吹き出す。
しかしアズサはニヤリと笑った。
「……へへっ、なぁんてな。まさか右腕も斬られるとは思わなかったぜ」
そう言うとアズサは右半分の体に力を込めると、触手を生やした。
「こ、これは一体っ……どういうことだっぺ!」
その様子を目にしたメキユが驚愕する。
実はメキユはついさっきまで父親の形見の包丁を探していた。もしかしたら魔力が消えてどこかに落ちているのではないかと思ったからだ。
しかし結局包丁は見つからず会場に来てみれば、アズサが化け物になっているではないか。
「アズサは……化け物だったんべか!?」
メキユは隣にいるユズリノに振り返るが、ユズリノは虚ろな目をしたまま無言で答えてはくれなかった。
「……」
メキユは口をキュッと結び、前を見る。
さっきまで自分に優しくしてくれたユズリノの笑顔を思い浮かべるが、頭を振って忘れようとした。
そして強く願う。
自分の手元に包丁が戻ってきてくれるのを──。
ゲンスケはやや強いダメージを受けるが、すぐに立ち上がった。そして触手を避けながらアズサの懐に入ると、右腕をバッサリ斬り落とした。
「ぐわあっ! 俺のっ……俺の右腕がぁぁ!」
斬られたところからは大量の血が吹き出す。
しかしアズサはニヤリと笑った。
「……へへっ、なぁんてな。まさか右腕も斬られるとは思わなかったぜ」
そう言うとアズサは右半分の体に力を込めると、触手を生やした。
「こ、これは一体っ……どういうことだっぺ!」
その様子を目にしたメキユが驚愕する。
実はメキユはついさっきまで父親の形見の包丁を探していた。もしかしたら魔力が消えてどこかに落ちているのではないかと思ったからだ。
しかし結局包丁は見つからず会場に来てみれば、アズサが化け物になっているではないか。
「アズサは……化け物だったんべか!?」
メキユは隣にいるユズリノに振り返るが、ユズリノは虚ろな目をしたまま無言で答えてはくれなかった。
「……」
メキユは口をキュッと結び、前を見る。
さっきまで自分に優しくしてくれたユズリノの笑顔を思い浮かべるが、頭を振って忘れようとした。
そして強く願う。
自分の手元に包丁が戻ってきてくれるのを──。
