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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第6章 求めちゃう

今夜は悠樹くんとふたりだけの食事だった。



あたしは彼に教えてもらったゲームを少しずつしているけど、なかなか思うように進まない。



食事を終えたら、あたしたちはリビングルームに移動した。



あたしと悠樹くんはソファに腰を下ろした。



「お前、ぜんぜんダメじゃん」



悠樹くんがあたしのスマホを手に、ゲーム画面を見てため息をつく。



「うまく、できなくて…」



「はあ…あのな、お前のキャラ弱すぎなんだよ。武器も装備も一番レベルが低い状態じゃん」



「レベル上げっていうのが、難しくて…」



「内政だけしてたらレベル上がんないよ?もっと敵と戦わないとさ」



「ごめん…」



「そもそもお前、ゲーム苦手だろ?無理してやらなくていいよ」



厳しい言葉を投げつけられて、少し凹む。



確かにゲームは苦手だけど、このお屋敷にいたら気分を紛らわせないと落ち着かないから。



だって悠樹くんと一緒にいるときは、あたしはあの変な感覚を忘れられるんだもの。



「ごめんね」



「え?別に謝ることじゃねぇし」



悠樹くんは照れくさそうに頭をかいた。



「優しいんだね」



「は?何言ってんだよ」



悠樹くんは真っ赤な顔をした。



楽しいな。



姉弟ってこんな感じなのかな。







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