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夢現、その後

第1章 忘却ショコラティエ

ノ`∀´ルo[side ⓜ]o

『たーだいまっ』

朗らかな声に、ふと見上げれば
すらりとしたその姿が目に入った。
朝から仕事をしていたのか、少し疲れているような、でも努めて明るくしているような、そんな顔。

が、少し、怪訝そうに歪んだ。

「あ、おかえり」

表情の変化には触れなかった。
キッチンに向き直り、湯煎を続けていく。
もう固形はほとんど残っていなくて、滑らかな茶色の液体がボウルの中を泳いでいる。

『チョコ!作ってんの?』

見ればわかるようなことを
いちいち口に出すのが彼だ。
肯定も否定もせず受け流す。

想定外だ。

こんなに早く帰ってくると思わなかった。
ちゃんと、完成系を渡したかったのに。

そんなことは意にも介さず、
浮き足立ったように言う。
『えー、ショコ潤のチョコ食べたいな〜!』

……こらそこ。ショコ潤は俺認めてねえって。
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