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君と僕の世界(嵐)

第5章 遊園地デート


和也「…っ!」


突然、なにかに思い切り手を引かれた。
腕が取れるんじゃないかってくらい、力強く。


衝撃で相葉さんの手は一瞬で解けて
俺は思わずよろけたが、暖かいその腕に抱き抱えられた。


「悪いけど、これ俺のなんで。」


冷たくて低い、静かな声。


俺を支える逞しい腕。


振り向かなくてもわかる。


和也「しょ、うちゃん…」


翔ちゃんだ。


翔「かず、待たせてごめんね」


優しい笑顔に、大好きな香水の香り。


ああどうしよう、


胸の奥がギュン、と小さくなったみたいだ。


雅紀「あっああ!翔くん!ご、ごめんなさい…!」

翔「ははは、冗談だよ、ごめんごめん。相葉くん、おはよう。まさか相葉くんも来てるとは思わなかったよ。何してるの?」

雅紀「俺は買い物。そしたらそこでニノに会ったから少し話して……俺…ニノのこと、カフェに連れていこうとしちゃってた…。」


翔ちゃんは俺を抱き寄せたまま、何も無かったかのように相葉さんと話している。
様子から見て、相葉さんとわかった上での行動だったようだ。

…それにしても相葉さん、ほんとに無意識だったとは…。


翔「あー、そうだったんだ。じゃあ3人で行っちゃう?この間ハンバーガーが美味しいって言ってたとこでしょ?」


雅紀「そう!ハンバーガー美味しいんだ〜!ああ、でも!今日はいいよ。ごめん、二人の時間邪魔しちゃった!」


翔「え?でもハンバーガー、俺も食べたいんだけど…」


雅紀「じゃあ2人で行ってきな!ふふ、今度3人で行こう!俺はどうせこのあと仕事だからそんなにゆっくりできないし。」


相葉さんはそう言って暗い細道から
陽の差す方へと歩いていく。
その後ろ姿が太陽の光で真っ白になるところまできて、振り返って手を振った。


雅紀「ニノ!悪かったね!楽しんできて!」


和也「え、あ…!相葉さん…!」


俺の声が届いたと確認する前に、
相葉さんは人混みの中へと消えていった。


薄暗い東京に、今は2人きり。


翔ちゃんは抱いていた俺の肩から手を離すと、
行っちゃったねえ と小さく呟いた。


和也「…さっきの、なんだったの?」


照れ隠し…もあるけど、単純に
よく俺と相葉さんだって気づいたなって


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