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テレフォン -約束-

第6章 灰色の記憶




・・・・それから大人になったアタシ


 鬱病生産工場での疲弊

 逆運へと導く男の暴力

 薬物の後は女に走る父


幼き日に、おばあちゃんが教えてくれた小さな幸せのカタチに程遠い毎日の中


アタシは夏休みを取得して、おばあちゃんに会いにゆく“約束”をしました

おばあちゃんに少しでもお小遣いをあげたいと思っていました

・・・・だけど、仕事が忙しいのを理由に行かなかった

ものすごく楽しみに待っていてくれたのに・・・・


もし、行ってたら?


どうだったのかな?


・・・・そんな、夏のとある日

おばあちゃんは部屋の低い位置で、字を書けないその小さな手を

アイテムはスカーフとして、首に巻いて壁の突起物に引っ掛け、軽い軽い体重を自ら預け


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