『ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中』第4章「刹那の口付け」　93ページ

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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第4章刹那の口付け

｢その、まさかですよ｣

　こいつは――とても私の母親が好きだ。それは付き合ってたから仕方ない。でも、私の母親を憎んでる理由は――。

｢分家に私が忌み子であることを報せたのは貴女の母親です。

あの人はそれで、自分が跡取りになる確率が上がるとでも言われたのでしょうね。

簡単に僕を売りましたよ。それから――まぁ......そこから先は想像の通り｣

――本当に困惑してしまって、私は口を覆う事しか出来なかった。

あの女がろくでもない奴である事は知ってたけど、恋人まで売りに出すとかどうかしてる……。

本当に同じ世界に住んでる人間なのかとさえ思ってしまうが、残念ながらまだ生きているし、私の母親だ。

血が繋がっててしかも似てるとか、反吐が出るけど……。

　取り敢えず初音の大方の事情は理解出来た。