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女性「これ、『幸福の羽根』といって人生に疲れちゃったなって人に向けて湯神陽仁先生がお話してくれるものなんです。」


聖輝「はっはい？」


女性「『幸福の羽根』というのは湯神陽仁先生が立ち上げた団体なのですが、これまでに人生どん底だったたくさんの方々を救った方なんです！」


聖輝「はっはぁ…」


女性「いろんな人間に裏切られ、生きていくのも辛くなって死にたくなった人が何人も先生に救いを求めに来るんですよ。」


女性「そして、先生に話を聞いてもらってから！不幸だった人達がみんな幸せになっているんです！」


聖輝「そっそうですか…」


何これ…いかにも怪しい…


女性「そして今！私の目の前にいるあなたもまた不幸な1人なのです！」


聖輝「えっ、いやっ僕は…」


女性「是非一度！湯神先生の講演会に行きませんか？！」


聖輝「こっ講演会…？」


女性「2時間たったの1000円でありがたいお話が聞けるんです、いいと思いませんか？」


聖輝「いやっ…それは…」


それって絶対変な宗教とかだよね…


嫌だなぁ…


女性「先生の講演会は大変人気があるので、本来は満員御礼なのですが今回は特別に私からの推薦でご招待します！」


聖輝「はっはぁ…」


女性「この講演会に参加すると、あなたのためになりますし絶対幸せになれますよ！」


聖輝「いや…でも…」


女性「このままじゃあなたは不幸になる…一生後悔しますよ？」


聖輝「えっ…」


女性「1000円で幸せになる為のお話が聞けるんですよ？こんないいチャンス滅多に無いと思いませんか？！」


聖輝「まっまぁ…」


女性「あなたを推薦しますのでこちらに名前と生年月日と住所と電話番号の記載をお願いします！」


聖輝「いやっ…」


女性「私と一緒に幸せを掴み取りましょう！」


聖輝「……。」


やばい…逃げられない…


誰か助けて…！！


「あのさ、そこ邪魔なんだけど。」


聖輝「えっ？」


突然深く帽子を被った男性がそう呟いた。