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ふぃくしょんエッチ

第3章 トウメイニンゲン



し〜んと静まる部屋の中マリアは
呆然と立っていた。


安堵の表情を浮かべて。

これで助かる…そう思った矢先だった。


ピュッ…


背中に微かな痛みが走る。


「…………っ…何?」


あ…………あ………!!


じわぁと広がる血。


背中には切り傷ができていた。



「うっ…」


傷の小ささの割りに止めどなく
溢れてくる流血。


『くくく…後何回切り刻んだら
お前は死ぬだろうな?』


そんな声が何処からともなく聞こえてくることからすると自分は仕留め損なったのだとわかった。


そして、それは絶望的な展開であることも。


ピュッ…


また、切れる。
次は右太ももだ。


そして、腕。


これに耐えれるほどマリアの精神も強くはない。


かつて見たことのないような夥しい血液の量は十分すぎるほど恐怖を与えていた。


ガクッ


膝から、崩れ落ちていく。




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