
土壇場の恋・あなたならどうする?
第4章 綱吉と竜二
シャワーを終え脱衣所に出ると、
例のイケメン君が ”待ってました”みたいな感じで
立ってたから。
思わず俺は ”げっ!”となって、とりあえず
大事なところは手で隠した。
「ささ、これにお着替えねー」
突き出されたのは、大きな紙袋。
多分中身は服だと思われる。
「って、え? スーツ? 俺じゃ似合わないって」
まさかスーツ着て外めしって、
高級レストランとか料亭の類なんか?
そんなの俺、絶対無理! だから。
「テーブルマナーが必要な堅苦しい店なんか
嫌ですよ」
さすがに昨日の今日でオーダーメイドでは
なさそうだが、やけにサイズが合っている
その洋服に怯む。
「そんなの分かってるよ。何でもいいから、さっさと
着替えろ」
上手い具合に言いくるめられ、
俺はあれよあれよという間に着替えさせられ、
どこかで見覚えのある黒塗りの高級車に
押し込まれてしまった。
